岸政彦『マンゴーと手榴弾』

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卒論のために読んだ。

桜井厚批判として勧められたので読んだ。桜井らの構築主義的なライフストーリー論だと語りの事実性は不問にされるが、「語られたことは全てその人にとって本当にあった事実」であると岸は批判している。

面白かったが岸政彦批判もあるようなので読まねば。

野口裕二『ナラティヴと共同性』

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卒論のために読んだ。

抑圧の経験や苦しい状態である自分のことを当事者同士で語り合うことで成立するネットワーク(セルフヘルプグループ)や自己を開示し「問題」を地域住民や家族と共有することで当事者をサポートする共同性が生まれる(オープンダイアローグ)ことについて書いてある。

個人的にはオープンにさせられるのは結構キツイと思ってる(笑)

好井裕明『批判的エスノメソドロジーの語り』

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いや〜〜〜............最高だった........今期(?)最高の一冊かもしれない。

二部構成で第一部はエスノメソドロジー理論の説明、第二部が具体例に沿ってエスノメソドロジー的思考法の明示。

まさか筆者が螺旋運動としてのエスノメソドロジーをこの本の中で仕掛けてくるとは思わず、驚きつつその「快感」を味わってしまった。最高だ〜........

飴屋法水『ブルーシート』

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同名の演劇を書籍化したもの。なかなか普段触れないジャンルだったので結構読むのに体力を使った。震災後文学の一つに位置づけられる作品だが、3.11や震災後という単語の持つ「らしさ」を振り切ろうとする営みが難解な言葉遣いから感じられた。

小林多寿子・浅野智彦編『自己語りの社会学』

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「自分について語ること」への様々なアプローチ法やどのような場面で用いられるかといった、この領域の見取り図をザッと紹介した本。

ザッと紹介されているだけなので踏み込んだ考察や方法論の細かな説明はない。

この本の参考文献リストから更に卒論に使えるものをピックアップしていく予定。

吉原令子『アメリカの第二波フェミニズム:1960年代から現在まで』

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半年くらい前に読み切れずにいたのでこの際に読了。

基本的には歴史の時系列通りに章立てされている一冊。モーハンティを先に読んでいたため、過去から現在にかけてのアメリカのフェミニズムの問題点(帝国性etc.)の理解はとてもスムーズだった。

もう少し踏み込んだ著者の視点による記述があっても良いと思ったが、流れや歴史を概観したい場合にはうってつけの本。

チャンドラー・タルパデー・モーハンティー『境界なきフェミニズム』

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フェミニズムに内在する西洋中心主義を鋭く指摘する「西洋の視線の下で」は必読。もう少し精読したい。

一番周縁化された女性の立場に立つことでフェミニズムは差異を認識した上で連帯できる、というのがモーハンティーの主張。